Low vision bookの未来

 私が「祈りのかたち」の本にLow vision bookを合本させて作ったきっかけは、前にお話ししました通り、自分で読める本を作りたいという思いがきっかけでした。展覧会も始まり幾つかの新聞社から取材を受け、某新聞社の記者さんが私に「読書バリアフリー法」という法律を教えて下さいました。皆さん、ご存じでしたか?もちろん、私は全く知りませんでした。ざっくり説明しますと、国民のだれでもが等しく読書を楽しめる環境を作りましょう、という法律です。視覚障がい者、精神疾患、体の機能がうまく使えず、本が読めない人がたくさんいます。私もその一人です。一般向けの本では読めない人に向けて読むことができる取り組みもしていきましょうという法律で、2年前にできたようです。やっと大きな枠組みが文科省や厚生省などが中心に作り、各自治体がようやく動き出してきたというのが、現状らしいです。まさしく、私が目指している目的ドンピシャの法律が動き出したのです。もう、びっくりです。



 読書バリアフリー法の中でも視覚障がいに特化して私が考えるに、国は各自にあった視覚障がい者専用のタブレットを作る方向に行くのではないかと思います。そうすれば字の大きさ、フォントも各自の好みに合わせられます。現在はツールバーなど健常者と同じですし、マウスも複雑な動きを要求されますので、せっかくある程度作業が進んでも、いきなり渡れない橋が存在し、一人ではギブアップしてしまうことが、多々あります。この本を作るためにデザイナーの寺澤さんに何度も泣きつきました。以前普通にできたことが、どうにもできない自分が情けなく、人に甘えないと進んでいけないのが、ただただ申し訳なく思う日々です。それが自分のオーダーに答えたパソコンやタブレットができて、最後まで自分の力で全ての作業が完了するのは、どんなにか楽しく、ストレスがない生活でしょう。その流れになれば、今回の本つくりで私が提案していますLow vision bookは無駄だと思う人もきっといると思います。それが、そうはならないと私は確信しています。



上毛新聞社刊「祈りのかたち」 出版クラウドファンディング 三輪途道 https://greenfunding.jp/harebutai/projects/5230


 デザイナーの佐藤晃一さんが、昔テレビの番組で、若いころTVやデジタル環境が進めばポスターの役割はなくなると思ったが、依然としてポスターの力はあり続けているという感じの話をされていたのが、強く私の心に残っています。本離れという言葉も聞きますが、絶対本は消えないと思います。本は文字を追うものだけではなく、表紙、紙質、行間などの余白から伝わるエネルギーを味わいたいのです。便利だからという理由でタブレットを渡されても、うれしいけれど満たされない思いは残ると思います。ですからデジタルとアナログ両方作ってまいりましょうというのが、眼を患ったからこそ、導かれた私の考えです。



 昨日のブログで「祈りのかたちLow visionプロジェクト」を立ち上げたいという思いを書きましたが、メンバーの立木寛子さんが、以前自費出版した「爺さんとふたり」という本を上毛新聞社刊で出版することになりました。販売は来年の1月中旬を考えています。この本はLow vision book版も作る予定です。すぐ作らないのは、私の本の反省点をリサーチする時間を少々儲けたいのです。一つでも二つでもよりよいLow vision bookを作りたいと思いますので、皆様楽しみにしていてください。本ができましたら皆さんに宣伝します。お爺さんといっても、お父さんの介護の話です。長く群馬経理ニュースに連載していました。泣かせる話、笑い飛ばすしかない話など盛り沢山です。



 誰かいっしょに我々とLow vision bookを作りませんか。少ない数であれば、オンデマンド印刷という選択肢もあります。まずは仲間を増やしたいと思います。皆さん楽しみにしていてください。