御蚕神猫様の話

 御蚕神猫様は、おさんしんねこさまと読みます。ふざけた名前です。蚕神猫の本尊です。クロネコに白の模様が入っていますので、台座も猫の模様入りです。一応光輩もついています。


 クラファンの中では、だんとつに高い価格です。猫は蚕神猫という抜型の脱乾漆ですが、台座、光背は木彫、框の周りの蚕神は石膏心乾漆です。いろいろな素材で御蚕猫様はできています。もちろん、個人が購入もありがたいですが、もし縁をどなたかがつないでくださるなら、触れる彫刻として美術館か博物館、視覚障がい者も触れる彫刻として点字図書館や盲学校などに置く彫刻というラインも想定しています。どなたかこのクラファンでお買い上げ頂き、寄付をしていただけないでしょうか。養蚕信仰の流れもありますので、美術館、博物館に設置し、蚕神猫だるまを教育プログラムとしての活用方法も用意はあります。私の作品としては非常に宗教色が強いです。バックグラウンドとして養蚕信仰を皆さんに知って頂きたいという思いを私の遊び心でブレンドしました。


 正直眼が見えなくなってきたため、カラーの色は使えなくなりましたが、結果的に黒白彫刻もありだと思っています。


 少し話はそれますが、皆さんは棟方志功という版画家をご存じでしょうか?青森の土着性の強い木版画家です。そうです、私はこの版画家が大好きです。そして同時に自分の制作姿勢と被るのです。その上、志功はド近眼だか、よくわからないけど眼がよく見えない作家でした。その作品を見ると極端なほどデフォルメされた強い黒と白の作品なのです。今まで気づかなかったのですが、実は志功は、あれが精一杯の表現だったのではないかと思いだしたのです。余裕のデフォルメではなく、あれがMAXの表現だからこそのリアリティかもしれないと思うのです。私のように眼がよく見えなくなると黒と白の差異でしかわからなくなります。ですが志功の版画なら私も見えるのです。この事実は私の次の制作のヒントになると思うのです。


 棟方志功と御蚕神猫は太い絆で結ばれてきました。御蚕神猫様が富岡市美術博物館で待っています。会いに行って下さい。